心理的に言うところのパニック自体は、東日本大震災で体験したと思われる人も多いことでしょう。
パニック障がいとは、そこで言うパニック状況が内的に突然襲ってくる形の脳の危険察知信号機が黄色信号の点滅状態であり続けるような、放置しても軽快し難い治療が要る病気です。
決して希な病気ではなく、40人程度に1人は罹患するものであり、女性が男性の二倍多い疾患です。
脳の機能的な障がいによるものと考えて下さい。その症状は、「パニック発作」と呼ばれる強い不安・恐怖感を伴う死をも感じる身体的苦痛が発作様に現れるのが特徴です。
身体的苦痛としては、動悸、窒息感、めまい、気を失う感じ、全身の戦慄感、吐き気、冷汗、発狂する感覚、等が挙げられます。その発作を恐怖し、様々な活動を回避して発作を逃れようとする一連の行動により、更に不安が増幅されていく悪循環が見られます。
そのような「予期不安とそれによる回避」を伴い、電車に乗れない、高速道路を走れない、人ごみに行けない等々、社会的活動に支障を来し、生きる上で重要な自由が制限され想像以上の生活の質の低下に至る重大な病気なのです。
心理的ストレスや過労、睡眠不足、などが発症要因となりやすく、誘発状況というのもあり、ラッシュの通勤電車内や拘束される会議や美容院、などが該当します。大震災がきっかけとなってしまった人も多いのではと想像します。
治療は主に薬物療法ですが、専門性のある認知行動療法という治療も大変効果的です。要は避けていても治らない、恐怖に慣れさせる行動をとるのが近道とされています。そのことは自身では取り組み難いため、専門の医療機関への受診もご検討下さい。
なお、当クリニックでは専門的知識のある心理カウンセラーによる認知行動療法を行っております。