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ADHD(注意欠如多動性障がい)

Doctor's File vol.364 岡本浩一院長 Doctor's File job MISUO net 新百合ヶ丘を中心とした地域情報
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成人の注意欠如多動性障がい(成人ADHD)

診断に重要な3大症状が実際の行動面にどう現れるのか?

  1. 不注意(この症状が優位なケースが多い〜いわゆるのび太型)
    • 仕事等でのケアレスミス
    • 忘れ物や失くし物が多い
    • 約束を守れない、外出の準備がいつも間に合わない
    • 時間管理が苦手、締め切りに間に合わない
    • 仕事や作業を順序立てて行うことが苦手
    • 中途半端になってしまいがち
    • 片付けるのが苦手
    • 人の話を集中して聞くことが苦手
    • 興味のあることには集中しすぎてしまい切り替えが困難(過集中)
  2. 多動性(成人のケースでは軽減することが多い)
    • 落ち着かない
    • 貧乏ゆすりや机を指先で叩くなど、目的のない動き
    • 別のことに気を取られやすく最後までやり遂げられない
    • おしゃべりが止まらない、自分のことばかりしゃべってしまう
  3. 衝動性
    • 思ったことをすぐに口に出してしまう(会議中の不用意な発言等)
    • 衝動買いをする
    • 独断で重要なことを決めてしまう
    • 些細なことで叱責してしまう、人を傷つけることを言ってしまう
    • 人間関係でのトラブルが多い
    • 転職を繰り返す

全ての行動面の問題が三つの中の一つの特性だけによるというよりは、複合的に生じていることが多いです。また、成人ではある程度の学習により仕事等の社会的場面では何とか適応的に行動していますがプライベートでは障がい程度が著しいというようなアンバランスも起きてきます。そのため、成人の場合は人により症状の現れは多種多様となるため注意が要ります。

脳の機能障がいとしてのADHD(遺伝性も認められます)

  1. 前頭葉、前頭前野の活性や血流が低下していることが示されています。前頭葉は、行動を抑制したり、セルフコントロールを司る機能を有しており、結果的に様々な発達におけるアンバランスを生む障がいとも言えるのです。実行機能が低下するような脳の未熟さが認められる障がいとされています。
  2. 不器用で運動面での発達の未熟さもあります。
  3. ストレス耐性が低く、トラウマに対しPTSDを発症しやすいとされます。元々、新奇追求傾向(好奇心旺盛)が強いこともあり、それにより事故やトラブルに遭遇することが比較的多いと言われます。
  4. 脳のフィルター機能が弱いとされます。周囲の雑音が無差別に脳に入ってきて注意が拡散されてしまいます。しかし、フィルター機能の弱さは、創造性と結びつけられることもあり、非常にクリエイティブな能力を持つ要因ともなっています。
  5. 脳の覚醒レベルが低いのも特徴です。そのため、治療薬もそのような病理に対する作用を有するものとなっています。自己治療として覚せい剤やニコチン、カフェインなどの刺激物を取り入れたり、刺激的な行動に関わったりすることが見られます。その行為が様々な依存症を生む要因となります。爪噛みや抜毛癖なども一つの自己刺激的な行動として見られます。

成人のADHDは、うつ病などの気分障がい、様々な依存症、パーソナリティ障がい、自閉スペクトラム症、などの他の精神疾患に隠されて存在していることも多いものです。単なる流行や現代病ではないADHDを的確に診断し、自分を正しく見つめ直せて、自分を正確に理解してもらえること、そして、自分自身も周囲も特性を活かした生活を送れるよう調整工夫を図ることが重要となります。

現在は成人ADHDに適応のある薬物療法も存在しています。心当たりのある人は是非、専門医にご相談されることをお勧めします。

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