以下に当てはまる方は、要注意となります。うつに関する何らかの危険信号を既に発している可能性が高いと思われるからです。
以下に挙げた項目に、「憂うつな気分である」という項目がないのは、うつ状態にあっても憂うつさの自覚に乏しいことが意外と多いためである、ということを予め付言しておきます。
- ぐっすりと眠れなくなった、朝早く目が覚めてしまう
- 食欲がなくなった、空腹感を感じなくなった
- 疲れがなかなかとれなくて全身がだるい
- 楽しんでやっていたこともおっくうで気が進まない
- 思わずちょっと笑うということがなくなった気がする
- 集中力がなく仕事の能率が悪くなった
- 人と会ったりおしゃべりをしたりすることが疎ましくなった
- 新聞や本を読んでも頭に入らなくなった
- ボーっとしていることが増えた
- うっかりミスや物忘れが多くなった
- よくため息をつくようになった
- 寝起きの気分がほぼ毎日すぐれない
- なんだか分からないが不安でイライラすることがある
- 些細なことでも怒りっぽくなった
「うつはこころの風邪」とも言われますが、安静にして数日間過ごしていれば何とかなるような類いの状態では決してありません。心の問題であるが故に陥りやすいのですが、あなたの苦しみは気のせいや怠け心であるはずがありません。ですから、決して根性や気合い、努力や頑張りだけで解決する状態ではないことを知って下さい。
少なくとも今まで行ってきた手段では対処困難な状況にあると考えられるため、何らかの違った方法を模索する必要があることは間違いないと思われます。
それは、単に一人で抱え込まないことかもしれません。自分のための時間を毎日確保することかもしれません。
これまでになかった問題解決手段の一つとして、こころの専門医への相談という試みを行うことはとても勇気がいることかもしれませんが、潜在的なうつ病患者が600万人いると言われ、人が一生涯にうつ病に罹患する確率が概算で10人に1人程度はいるという現状ですから、想定される対処手段の中でも最も適切なものの一つと考えて下さって間違いはないと思われます。
当クリニックは、そんな出口が見えなくなっているトンネルから抜け出すための誘導灯となり、あるいはまた着実に歩むための杖となれるよう、努めていきたいと考えています。また、著しくなくても気分の落ち込みを繰り返し自覚されているような方の中で、その反対にいわゆるテンションが高めの時期がなかったでしょうか?心当たりのある方は、躁うつ病という気分障がいを有している可能性がありますので、医療機関への受診を強くお勧めします。